建築家との家づくり:建築家・設計事務所 大阪|注文住宅の住宅設計
長周期地震動 ・ 長周期パルス について
長周期地震動
高層マンション・ビルにお住い・作業される方は、家具類の転倒に気を付けてください
長周期地震動は、地震発生時において通常の震動とは異なり、周期2秒以上のゆっくりとした揺れをおこし、遠方までエネルギーを失わずに伝わる震動のことであります。ここでいう「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のことをいいます。
高層建築物は、特に高層階で大きく揺れます。
長周期地震動の大きさは、下記に示す4段階があります。
・階級1・・・室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる。
・階級2・・・室内で大きな揺れを感じ、物に掴まりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難しい。
・階級3・・・立っていることが困難になる。
・階級4・・・立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。
不意の地震に備えましょう。
固有周期は、大まかには、下記の①、②などの算定方法があると建築関連の方が報告されています。
①、建物の高さがわかる場合、
建築物の高さに0.015~0.02を掛けた数字が目安であります。
例えば、約200mであれば固有周期は、3~4秒になります。
②、建物の階数がわかる場合、
建物の階数に0.1を掛けた数字が目安であり、
例えば、50階建て場合の周期は約5秒であります。
平野部や湾岸部の軟らかい地盤は、地震時の揺れを増幅させます。大阪平野の周期は、約4~7秒、関東平野では、約7~10秒と言われています。
昨今、大地震が起こり、高層のビル・マンションでは長周期地震動による甚大な被害が報告されております。
東日本大震災では、震源地より遠く離れた大阪府の55階建ての大阪府咲洲庁舎(大阪市)は最大で左右に2.7m揺れました。建物の揺れやすい周期と地盤の揺れやすい周期が一致して揺れが大きくなり、長く続いております。
高層住宅は年々、増加の傾向にあり、揺れは非常に大きいため、家具を固定することが大切で、寝室などには、高さの高い家具などは、置かないようにする事をお勧めいたします。
長周期パルス
長周期パルスとは、大地震時に振動周期が長周期の揺れが、大きな変位で一度に生じる地震動を表します。
「長周期パルス」:脈打つような大きな揺れ。
2016年4月に発生した熊本地震で活断層による直下型地震で極めて特殊な揺れが、国内で初めて観測されました。
免震脅かす長周期パルス : 2018年1月14日朝日新聞より
概要
2016年4月の熊本地震で、震度7を観測した熊本県西原村。京都大防災研究所の岩田知孝教授(強振動地震学)が記録を解析すると、小刻みな揺れに続き、脈打つような大きな揺れがみえた。「 長周期パルス 」と呼ばれる特殊な揺れだ。揺れが1往復する時間が「周期」で、2秒以上を「長周期」と呼ぶ。西原村の揺れの周期は約3秒だった。
地面の揺れの周期により、影響を受けやすい建物の高さは変わる。長周期になるほど、高い建物がより影響を受ける。西原村で観測された最大毎秒2.6メートルの揺れは、国が示した超高層ビルの設計用の揺れのレベルを上回る。もし西原村に超高層ビルがあったらどうなったのか。
工学院大の久田嘉章教授(地震工学)らは、高さ約120メートル29階建ての鉄骨でできたビルで試算したところ、最上階は最大左右に2.9メートル揺れた。梁や柱が損傷、揺れがおさまってもビルに変形が残った。「建物の中にいる人は、頭を守って机の下に隠れるくらいしかできない。家具の固定だけでもしてほしい」と久田さん。
超高層ビルの課題はこれまで、「長周期長時間地震動」だと考えられてきた。東日本大震災では、55階建ての大阪府咲洲庁舎(大阪市)は最大で左右に2.7メートル揺れた。建物の揺れやすい周期と地盤の揺れやすい周期が一致して揺れが大きくなり、長く続いた。
こうした揺れに対しては、地震のエネルギーを吸収する「ダンパー」の効果が高い。ところが、長周期パルスの場合、建物の変形や損傷が一気に進みかねず、ダンパーの効果は長周期長時間地震動ほど期待できない。地面が大きく動いて段差が残れば、建物が傾く恐れもある。
活断層と関連
長周期パルスには2種類ある。一つが、西原村で観測されたタイプ。マグニチュード(M)7級以上の地震が起こり、地表に断層のずれが達した場合、その近くだけで観測される極めてまれな現象だ。地震波に地殻変動の影響が加わって生じると考えられている。西原村では、断層に平行な東西方向で強い揺れが観測された。
政府の地震調査委員会は、主な活断層を調べ、揺れを予測する手順を公表しているが、こうした大きな揺れは想定していない。岩田さんは「台湾などで観測例があるが、日本では初観測。被害につながる可能性があるので、予測法の研究が始まっている」と話す。
もう一つの長周期パルスは、地下深いところで断層が動き、地震波が重なって大きな揺れになるタイプで、断層と直行する方向に出やすい。同じ仕組みで、周期が短いパルス状の強い揺れが生じることもある。阪神大震災で観測されたタイプだ。
長周期パルスは全国どこでも生じるわけでなく、まれな現象でもある。ただ、久田さんは「大規模な活断層の近くであれば、万が一の対策が必要になる。活断層の位置や規模、地震の発生間隔などを調べて建物のリスクを判断してほしい」と話している。
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