耐震住宅(SE構法・金物止め工法)・制震住宅の設計実例とポイントを紹介します
INDEX ( ▶ をクリックすると、それぞれのコンセプトの説明をご覧いただけます。)
▶ 地震に強い震住宅の設計:SE構法などの金物止め工法の概要
▶ 耐震住宅の構造② テックワン金物工法・ナットレス金物工法 の詳細と施工状況
▶ テックワン金物工法・ナットレス金物工法を用いた住宅の設計・施工事例
柱~梁の取り付け接合部
SE構法・木造金物止め工法は、接合部において断面欠損が少なく、従来の在来工法で無かった構造計算ができ、構造的裏付けによる耐震性が実証されるようになりました。
また大空間・大スパンが可能となり計画の柔軟性も高まっています。
強度・品質が安定し優れた「集成材」で構成された柱と梁を丈夫な「金物」接合し、構造計算プログラムで検証された揺るぎない強度の骨組みを実現しております。
工事現場での作業は最小限となり、柱・梁などの部材、接合部の精度が極めて高く、安定した品質の建物が確保されます。
メーカーが商品化している 金物止め工法 には、テックワン、SE構法、ナットレス工法などがあります。
柱に梁を取り付ける為の金物を取り付けた状態
柱に取り付けた金物を上部より見る
金物に構造材を合わせる
金物に構造材を取り付けた状態
土台と基礎金物の取り付け
阪神大震災の被害を受けて開発された、木造の耐震住宅。
金物止め工法・SE構法などで使用される集成材では素材となる木材の強度を1枚づつ測定して製造されているため、天然の木材の長所を持ちつつ、反りやねじれなどの欠点を克服し、強度と安定性を生み出しました。
土台で破壊される可能性が多い構造の弱点に対して、金物止め工法、SE構法などの柱脚用金物はコンクリートの基礎に柱を強力に結合させ、従来工法や2×4工法に比べ圧倒的な引つ張り破壊耐力を持っています。
例えば、SE構法で用いる集成材は無垢材の1.3倍、接合部で用いるSE金物は、接合部1か所あたり13トンの強度があります。強度と構造計算で裏付けされた高い住宅性能で、木造住宅ながら大スパンが可能となりました。
木の感性と日本的な木組みを生かし、大きな開口部から自然光があふれる、おおらかな住宅をデザインします。
柱と梁の接合金物
自然素材の木の長所を活かしながら、地震に強く、従来の木造住宅では叶えられなかった大空間のある住宅。
当建築設計事務所では、性能が明確な集成材と剛性のある独自の金物を接合部に用いて構造計算を行い、強度とオープンな空間を確保できる木造金物止め工法:SE構法を採用し設計力を活かしデザインします。
柱と梁の接合金物
木造で強度を高めるために多用される筋交いは、大きな力が瞬間的にその部分にかかりはずれたり折れる事があります。
金物止め工法・SE構法などのシステムで作られた接合部は、それ自体がある程度の剛性をもち、耐力壁の高性能と相乗して、衝撃をやわらかく受け止められる鉄骨造に劣らない強さを持っています。
集成材や金具の接合部は隠さずに、デザインの一つとして空間に取り入れる事で、見た目の力強さを生み出します。
木造住宅としてはコストはかさみますが、同じ程度の強度を保つ鉄骨造の住宅に比べるとローコストです。
また鉄骨造にくらべ荷重が低い為、基礎に対する考慮が少なくて済む分、ローコストが図れます。
SE構法・金物止め工法を用いた住宅の屋根材として使用される事が多いサンドイッチ断熱パネルは、構造パネルで断熱材をはさんでいるため、家の強度を高めるだけでなく、工期の低減、省エネルギーを図る事ができます。
金物止め工法・木造SE構法などで設計された住宅は、家族のライフスタイルの変化にも柔軟に対応出来ます。
当建築設計事務所では、大きな空間に子供の数が増えれば間仕切りを入れて新たな部屋を作り、子供が成長し独立すれば
元に戻す、そんなフレキシブルな家づくりの住宅設計を提案しています。
土台金物①
土台金物②
土台~柱脚金物①
土台~柱脚金物②
土台金物に柱を立てる
SE構法:柱・梁の接合
梁仕口は単純なスリットとピン穴加工
取り付け金具に梁を設置
設置した梁にピンを挿入
柱~梁の接合部
水平部材の接合部
資料提供 : ㈱タツミ
梁材を固定金具に落とし込む
設置された梁材の穴に、固定金具のピンを挿入する
柱~梁の接合部
水平部材の接合部
資料提供 : ㈱タナカ
金物に梁を取り付ける状態
取り付けた梁をピンで固定する
耐震構法のメーカーとの継手・仕口の確認 ①
梁を柱・梁に取り付けたアゴ掛け金具に取り付ける状態の確認。
耐震構法のメーカーとの継手・仕口の確認 ②
柱に各方面よりの梁を取り付けピン穴に固定ピンを取り付ける確認。
外部:制震テープを張った上に合板を張る
外部:梁・筋違の上に制震テープを張る
揺れに耐える。
建築物の壁や柱などを強化したり、補強材を入れることで建物自体を堅くして振動に対抗する。広く取り入られている。
揺れを吸収する。
建築物内にダンパーと呼ばれる振動軽減装置を設置し、地震のエネルギーを吸収し建物に粘りをもたせて振動を抑える。
制振装置は、構造体である壁の中などに設置される為、建築プランや地盤(基礎)に対する制約が少ない。
本震の後にくる余震などの繰り返しの揺れに対し効果がある。
揺れを伝えない。
建築物と基礎の間に免震装置を設置し建物を地盤(基礎)から絶縁(又は、切り離す)ことで、建物に地震の揺れを伝えない。
建築物と基礎を切り離す為、建物全体の揺れを大幅に軽減できる。
建築物内の家財道具・什器類の転倒による事故や、損傷リスクも軽減できる。
◆ 阪神大震災・東日本大震災や他の大震災で建築基準法に準じて建築した建築物が損壊・倒壊を受けた事例があります。
人間が確認できない地盤深部で起こる地殻変動が建物に及ぼす影響を想定できないことは、認知して頂かないといけませんが、
不意の自然現象にはできるだけの対処はすべきであると思います。
設計事務所・建築家の住宅設計に求められる重要なことの一つには、家族が安全に暮らせること。
そのためにも、地震対策は大切な要件です。
新築はもちろんリフォームされる際にも、できるだけしっかりと対策される事をおすすめします。
当建築設計事務所では、構造設計士と共に創る多くの耐震住宅・制震住宅の設計実績と、長年の設計経験から、地盤への考慮を含め、ご予算やご要望に応じた地震に強い家・住宅の設計をご提案します。
大阪の建築家が創る家・住宅設計は、住み始めてからも愛着がまし、共に過ごす時間を楽しんで頂けると思います。
店舗設計、ビル・マンションの設計、家・住宅の設計でこだわりの建築を大阪の建築家:無二建築設計事務所と叶えてみませんか