建築基準法では居室の換気について、①換気のための開口部の面積、②シックハウス対策の24時間換気システムが定められています。そのほか、火気使用室などの考え方もありますが、ここでは①・②についての概要を。
居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
(建築基準法28条第2項)
室面積の1/20以上の外気に向かった換気の開口部の面積が必要です。
一般的には窓になります。その大きさは窓全体の面積ではなく開放できる面積となります。引違い窓の場合は開いた面積、一般的な引違い窓では窓の大きさの半分です。
ちなみに映画館や劇場など集会の用途に供される特殊建築物の居室には窓があっても機械換気設備の設置が義務づけられています。
高気密・高断熱の建物が増えたため、シックハウス症候群が問題になり、随時の自然換気が難しくなったため2003年に法律化されました。
その対策は(1)内装仕上げの制限、(2)機械換気設備設置の義務付け、(3)天井裏などの制限について素材や設備の対策を講じなければなりません。ここでは、(2)の換気回数等について。
この換気の仕組みは、外気を居室の給気口から取り込み、トイレや浴室・洗面所などに設けた換気扇・排気口から排気して新鮮な空気環境を保つというものです。
建物に必要な換気量は「必要換気量」といい、設置する機械換気設備の換気量を「設計換気量」といいます。
その必要換気量は以下の計算式で求めます。
必要換気量(m3/h) = 換気回数(回/h) × 居室の床面積(m2) × 天井高さ(m)
※換気回数は、住宅等の居室…0.5回/h以上、その他の居室…0.3回/h以上です。
これは住宅においては室内の空気が1時間に半分以上入れ替わるという意味合いです。
設計換気量は一般的に機械換気設備は数台設置するので、それぞれの換気量の総和となります。
「設計換気量>必要換気量」となれば適合です。
①②共に算定は建築士・設計者が行い、確認申請書に記載し提出します。
《 給気口 》
《 給気口:開いた状態 》
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