光をとりこむ住宅・マンション
閉鎖的なマンションの各部屋に「自然光を取り込むなんて無理!」とあきらめていませんか。
共同住宅:マンションでは、ほとんどの住戸がバルコニー側・廊下側のサッシなど共用部分からしか陽射しが入ってこない設計となっています。ましてや、住宅内の中央付近に集められた水回りなどは、窓がなく閉鎖的な空間となります。
一戸建て住宅と違って共同住宅は躯体部分が変更できないので、新たに開口窓を作るのは全く無理ですが、アイデア次第で光を内部に通すことはできます。
貴重な陽射しだからこそ、住宅内部に入るようにしましょう。
この悩みを解決できるのが、部分的なリフォームではなく、建築物の柱・梁・隔壁などの構造体のみを残して内部全体を解体して、間取り・部屋数の大きな変更から内装や設備まで一新するスケルトンリフォーム(リノベーション)です。
リフォーム後はできるだけ壁で仕切らずに、光や陽射しを多くの部屋に入るように建材・間取りを考慮します。壁や建具の建材を工夫すれば、窓のない部屋でも自然光が入るようにできます。
【光が遠くまで入射するように】
戸建て住宅のスケルトンリフォームでは、一住宅内で構造体以外の壁、つまり部屋を仕切る壁は取り壊すこととなります。
部屋はプラスターボードのような壁で仕切らないといけないという決まりはありません。
マンションで良く見られるリビングに付属する和室のように襖で仕切って、用途によって開け放つ事もできますが、他にも仕切る建材は色々あります。
★透過性のあるガラス・アクリル板の活用
ガラスには様々な種類があり、光を通すだけでなく、ガラスの強度を上げた強化ガラスなどは、厚みも少ないので、建材としても良く使われます。
透明・不透明だけでなく、裏面に和紙を張ったタイプもあり、室内の間仕切りや窓ガラスに美しい和紙を張ると風情が趣をあたえ、温もりと落ち着きを感じさせます。
上の写真のマンションは、リフォームをすることで、今まで暗かった浴室とサニタリーにも、陽射しや照明の光がガラス越しに入るようにしました。
朝の洗顔時にはやわらかい朝の陽射し、夜の入浴時には石庭の明かり・リビングのしっとりとした光が入り、心と身体がリフレッシュ。
今まで、暗く閉ざされた場所が、明るく気持ちのよい空間になり、今では入浴タイムが一番のリラックスタイムになりました。
壁面の1枚あたりの面積が大きく強度の対処が必要となる場合には、強化ガラス板にシートを張ると、同様の雰囲気がつくりだせます。
★ポリカーボネート複層板
育ち盛りのお子様がおられる住宅では、ポリカーボネート複層板はいかがでしょう。
ポリカーボネート複層板とは、断熱・保温性と採光性を兼ね備えたアクリル製パネル板です。
中空の気層を持つ2層構造のため、強度は同じ厚みのガラスの約200倍、アクリルの30倍の強度とメーカーは謳っています。
乳半タイプであれば、シルエットを映さず、光を柔らかく取り込むことができます。
上記写真
右側の個室を仕切る建具(引き戸)には、乳半タイプを組み込んでプライバシーを確保する設計を施しています。
左側の階段室を仕切る建具(引き戸)には、透明のポリカーボネートを組み込んで空間の広がりを出しています。
★ランマの活用
壁や建具の上部に、ガラスなどの光を通す建材でランマを設ける設計を施せば、窓に面さない奥の部屋にも光が通るだけでなく、天井が一続きに見えるので、空間に広がりが感じられます。
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