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住まいの10年目レポート

リノベの床材選びは自由自在

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この自邸ではどんな床材にしたか。

 

●無垢フローリング


ベースはナラの無垢フローリング。
無塗装です。

ナラの無垢フローリング。 無塗装

 

オイルを塗ったりすることもありますが、
塗ると色が濃くなります。
ナラそのものの色がよかったので
思い切って(というほど思い切っていない、必然)無塗装。

 

キッチンも無塗装。油はねなども気にしない。拭けばすぐとれます。
ある程度のシミは仕方ない。つくときはつく!

 

キッチンもナラ無塗装

 

※個人的に推奨の無塗装は「えー!?」と驚かれることヒトシオ。
 先入観は捨てるべしw
使用箇所は、玄関ホール(廊下)、LDK。

 

●畳


和室というか、畳スペースといったところでしょうか。

和室は畳

 

ごろんとできるスペースがほしかった。
(※和室については別の機会に)
設計者なら縁なしや琉球畳と思いきや、
一般的なものにしました。
いかにも!みたいなものへの反発。
ふつうに仕上げたかったのです。
案外、縁の色選びが難しい。ここを避けなかったことが挑戦でした。

 

●フロアタイル


WCと水廻りはこれにしました。
WCは狭小なので白っぽい石目調。
水廻りは試してみたかった鉄板の金属調。
こういう狭小空間はいろいろチャレンジできて楽しいです。

 

フロアタイルとフローリングの取り合い

 

水に対する耐候性もよいです。
素材感と足触りの違和感は意外と少ないです
五感がフル回転してそうです。

 

●磁器質タイル


900mm程度の玄関には150角の和により切らない墨色のものにしました。
小さめのタイルだと貧素になりそうだったし、
300角にするとこの狭小スペースではバランスが悪くなります。

 

狭い玄関もミラー張りの下足箱とタイルのグリッドで広がりを感じます

 

狭い玄関もミラー張りの下足箱とタイルのグリッドで広がりを感じます

 

そして、ユニットバスにもオプションで。
タイルなので多少の高級感は出ますが、
少々冷たい。。
ここはサーモフロアにしておいてもよかったかもと思いました。

 

●構造用合板


ベースはナラの無垢フローリング。
しかし、コストが合わなかったので、
複合フローリングにするか。。
と思ったのですが、
ホンモノの素材にするのではなかったか??
と変なスイッチが入っていました。

計画面積の1/3にあたる寝室スペース一体は
苦肉の策で、下地に使っていた構造用合板を採用して、
そこに染色塗装しました。

 

 3*6版の大きな割り付けの構造用合板

 

3*6版の大きな割り付けで、大柄模様はなかなかの迫力で
結構好きかも。アリですね。

 

ただし、構造用合板には仕様が明確に分かるように
スタンプ」が押されています。

 

構造用合板のスタンプ

 

じゃぁ、裏向ければ?
裏はささくれ立っていて、足にとげが刺さり優しくない。
そこはスタンプを受け入れて今に至る。
いいもの使ってる証明ですw(と強がっている)

 

10年経った床事情

 

当面、そんな感じで暮らしていました。
程なくして、子どもが生まれて、
いくら無垢材といえども赤ん坊にはハードな素材。

 

●コルクタイル


キッズルーム用のマットもありましたが、
・突如カラフルなのが来るのはどうなの?
・部分的に敷くのもなぁ
・子ども中心ではあるけれど、変に子ども扱いな空間じゃない方法は
 ないものかね?

 

で、行き着いたのが、コルクマット。
しかも、一部ではなく、全体に敷こう

 

フローリングにコルクタイル

 

これも天然素材。

コンセプトは貫けた、かな。

 

●無垢フローリング無塗装の今

 

フローリングに落書き

 

知らぬ間にマジックで落書き。。いまでは受け入れられています。
それ以外は大半がコルクを敷いているので現状維持。



気になるキッチンは…

 

10年後のキッチンの床

 

ところどころ油はねなどの跡あり。
コーティングしてもこの程度はなりそうにも思います。
とはいえ、一番過酷な条件の床には違いないです。

 

絶対無垢材!と思わなくていい。

 

これも考え方なのですが、
建築家・設計者だから「いい素材を使う」、だから工事費が高額になる
と言うわけではないです。
いい素材を「知っている」と思ってもらえればと思います。

 

あとはそういう素材を使いこなせる大工さんがいるかどうかも大切です。

 

私の場合は、素材ありきで空間を考えていないです。
そちらかといえば、
サイズの比率や素材同士のバランスなどの
「プロポーション」で考えます。

その考えでいけば、
特殊な施工者を選ばずにできるのではないか
と思っています。

 

あくまでだれでも知っている(おそらく)無理のない
オーソドックスな方法で
「まだこんなデザインができるんだ!」

を追求しています。

 

建築家だからこそ、いろんな素材を知っている。
考えもなく、無垢材しか使いません!
はちょっと違うかなと思っています。
こういう素材選定は「建築家っぽさ」は出るんですけど。

 

もとい、
無垢材だからいいに決まってる!
と思うことはないと思います。

 

自分の関心がどこにあるか、
身体や機能的なことでストレスは解消されているか
が、なにより大切です。

 

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