大阪の設計事務所・建築家の住宅設計

大阪府内にお住まいの７０歳代のご夫妻より、今まで住んでいた住宅の前面道路が、市の都市計画事業の道路拡幅に伴う立ち退きのため、大阪市内に新築住宅を建てられるとの事で設計依頼のご注文を受けたプロジェクト。

平屋建て住宅をご希望でしたが、敷地形状より平屋住宅ではご要望の間取りが確保できず、２階建て住宅となりました。　

加齢による行動の鈍化を考え、動線の簡略化、緩やかな階段、洗面脱衣室・浴室のバリアフリー対策に加え、自宅から火災を起こさないためにオール電化を採用。　床は転んでも比較的に衝撃が少ないコルクタイル、洗濯物の物干しが室内で出来るように調湿建材を使用するなど、安全と快適性を兼ね備えたシニア向け住宅の設計を施します。

多趣味で活動的な生活を送っておられるご夫妻にあわせ、内装は和モダンなテイストに少し鮮やかな色調を加えてデザイン。

朝食や軽食をすぐに食べられるよう、IHクッキングヒーターを組み込んだ、コンパクトなアイランドキッチン。さっと欲しいものがすぐに取れ、調理できるように、できるだけ動線を短くしました。

鍋や食器などは、日常使用する最低限に集約し、無理のない姿勢で収納できるように使い勝手の悪い吊り戸棚は付けずに、見た目の統一感と掃除の手間を省くため、同素材の化粧版をはりつけました。

コストのかからないデザイン障子で部屋にアクセントを付けて装飾性を持たせると共に、空気層を設けて断熱性を高めています。

昔ながらの床の間の感覚を残しながら、床板は瓦タイル、床の間の壁面にはインテリア性があり調湿作用と消臭作用のあるタイル：エコカラットを張って、和洋どちらのスタイルにもあうモダンな和室設計を施す。

障子越しのやわらかい陽射しが落ち着きをもたらす和室。押入れは吊り型にし、空間の広がりを出しています。

階段は住宅内で事故が一番起こりやすい場所。階段の一段の高さは、一般的な高さより低い約18㎝以下に抑え、踏面も大きめにとって、上がり降りしやすいように階段を設計しています。

高齢者にとって入浴は楽しみでありながら、身体の負担も大きいため、バリアフリー対策が必須です。出入り口の段差の解消や、手すりの設置に加え、床面も滑りにくい材質を選び、転倒防止に努めた設計。

ジェットバスに比べ手入れがしやすく、適度な刺激が心地よい泡ぶろ：バブルバスを取り入れた住宅設計。

洗面脱衣室は介護が必要になった時にも動きやすいように広く、浴室への出入り口は引き戸にして段差をなくしバリアフリーに。
洗面化粧台は収納力と使い勝手を重視。洗面台の右横にはスリット窓を設け、通風と自然光を取り入れられる設計。

身体の負担を少なくするため、玄関前に大型収納を設置し、日用品などのストックを収納。
動線にあわせて収納を設け、場所にあわせて扉の形状を決めて効率よく収納ができるようにしています。

２階は個室の間に大型ウォークインクローゼットを設け、衣替えの手間を省けるようしています。

玄関ホールの天井は、「ろうけつ染め調」のアクリル板を設置して、昼間は２階から降り注ぐ自然光を、夜間は照明機器の点灯により高齢者にとって眩しくなく、優しい上品な明るさを提供しております。　→ → →　玄関ホールのイメージパースを参照。

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