民家の畳の間
畳の間から板の間をみる
日本の住まいには畳の間で構成されていました。その畳の間では食事をしたり、くつろいだり、寝間としたりとユニバーサルな空間として活用されていました。
今回の設計でもこの考え方を踏襲して、個室として扱うことができたり、それ以外のときはリビングの延長として広がりをもたらします。
リビングと廊下は障子で仕切りすべて引き込むことができます。その障子の取り合いには柱を設けました。この柱があることで、奥行きが認知できて広がりを感じることができます。一見邪魔者のように扱われがちですが、同じ面積でもある場合とない場合では意外と違うものです。
また「柱のキズ」をつけることができるので子どもの成長の記録として一役買っています。
和室をリビングに隣接させるのはよくある手法ですが、さらに玄関に隣接させ廊下をうまく使い障子を閉めると独立性を保った客間にもなります。間取りによってハレの間にもケの間にもなる和室ならではのユニバーサル空間の特性が現れます。
客を招く間取りとしての和室―客とは誰でしょう?来客はもちろん、親の介護に、子ども部屋に、はたまた自分の臨時の個室として。ハレとケにも捉え方はさまざまです。
リビングが延長できる畳の間
障子を閉めると個室になる
吊押入の下に照明|奥行きを持たせ広がりを演出
吊押入の下は絶好の遊び場に
畳にあわせて障子で仕切る|柱の傷もつけられる
柱は距離を測れる|廊下も板の間として取り入れる
LDKの窓のように障子をデザイン
LDKにも合わせやすい縁なし畳
景色を見渡しながらリラックスできるように、リビングの一角に掘りごたつを設けた高床式和室(小上がり畳)をプランニング。
和室を高床式に設計することで、畳の端に手軽に腰掛けることもでき、畳での生活がぐっと身近に、使いやすくなっております。
法事などで集まる目的のために畳は縁ありにして品格を残しつつも、普段使いもできるように格式張らない障子の桟をデザインしています。
建替の際に思い入れのある部材を引用する場合があります。
建替前の床柱を活かしたいということでした。いかに取り入れるか。今回は意匠的に強い床柱でしたが、これだけでは空間的に弱くなりせっかくの引き継ぐことが単に残すだけになりそうでした。相乗効果を出すために#床の間 のセオリーとは離れますが既存の欄間を引用することにしました。
これにより和室に一般的な床の間とは違う風合いになりました。
床柱を引き継ぎたいという意思を意匠の中心ととらえるためにその周囲は線を極力減らしたミニマルな意匠に設計しています。
大阪の設計事務所が創る住まい/家・注文住宅の住宅設計は、住み始めてからも愛着がまし共に過ごす時間を楽しんで頂けます。
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