マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨造など頑強な構造で、室内のみのリフォームのため木造1戸建てのリフォーム・リノベーションに不可欠な耐震補強や強度不足の補修をする必要がないため、同予算でも間取りや設備・デザインの向上にかけることができます。
一般的なマンションの室内には、階段がなくフラットなため、身体的な負担が少なく、またフロア全体を一つの住空間としてリフォーム・リノベーションできるのもメリットです。
① 具体的なマンションリフォーム・リノベーションのプランニング・設計に入る前に、区分所有法、監理規約、使用細則消防法などを確認・理解して、リフォームをしましょう。
② 予算の配分に気を付けましょう。中古マンションは、以前の遮音・断熱に対する考慮での建築設計仕様の為、遮音性能や断熱性能が低めの物件が多いです。
※ 目に見えるリフォーム・リノベーションだけでなく、生活環境向上のためのリフォームも重要です。
③ リフォーム・リノベーションができる場所と、できない場所に注意しましょう。
構造体、玄関ドア、窓ガラス、設備配管用のパイプスペース、バルコニー等の共用部分は変更できません。
④ 給排水衛生設備の水廻りは、出来るだけ動かさないか、最短距離を考えましょう。
住戸内の現況を把握して配管距離を出来るだけ短くすると共に全体のバランスを考えながらリフォーム・リノベーションのプランニング・設計を進める事が大切です。
⑤ 収納スペースを意識的に検討しましょう。
造り付け・既製家具を上手に設置・利用して収納できるように、家具を早期に決めてプランニング・設計時にレイアウトして検討確認をする事をお勧めします。
⑥ 住宅設備機器・建材の性能選択は、楽しみの一つです。
ある程度の最新の住宅設備・建材を採用すると、完成後の満足度合いが向上し、将来的に利用価値のあるものになるでしょう。
⑦ 管理組合への届け出
管理組合との関係を円滑に行う事が大切です。
⑧ 近隣住戸への気配り
リフォーム・リノベーションを行う前に、事前に近隣住戸に工事期間や時間などの承諾を得ておきましょう。
● リフォーム方法 ●
・内窓の取り付け
一戸建ではペアガラスへの変更も効果的ですが、マンションでは短時間で施工ができる内窓を取り付けて、既存の窓との間に空気層を設けることで外気の影響を減らし断熱効果を上げます。
・壁の断熱リフォーム
発泡ウレタンの吹付などの断熱材を壁の内部に施して、壁の断熱性能をあげましょう。
他 個々に応じたリフォーム・リノベーションを計画します。
吹付工事中
吹付完了
最近建築されたマンションの設計では、遮音性能が向上していますが、中古マンションは上下階をはじめ、左右や、ダクトや排水管を通しての音漏れがあります。
マンション全体のダクトや排水管などからの音の伝わりを軽減することは困難ですが、上下階や左右の音の問題は、遮音リフォーム・リノベーションで、近隣住戸への気配りと共に、快適な暮らしを送れる住宅を手に入れましょう。
● リフォーム方法 ●
・防音・遮音ボードの取り付け
・床の防音遮音マットの取り付け
フローリングの下に敷き込むだけで防音性能を確保します。
外部や下の階への発生した音を漏らしにくいので、近隣住戸への気遣いも少なくなります。
・壁や天井に吸音板を張り付ける
室内の壁を遮音壁で取り囲むと音が反響してエコーなどが生じる恐れがありますので、天井にはプラスターボードを張った上、吸音板を張る設計などで、音の反響やエコーを軽減できます。
他 個々に応じたリフォーム・リノベーションをプランニング・設計をします。
ー 玄関ドア ー
外壁開口部:窓と同様に専用部と勘違いされやすく、間違えやすいのが玄関ドア。
玄関ドアは共用部分でありますが、共用(外部)廊下から見えないドア内側の塗装は、管理組合の規約や細則により認められている場合があります。
玄関ドアは共用部の統一性がとられているため、共用廊下側からその変更部分が見えるようなことはできません。ドアの額縁:木枠やドア小口を塗装する時には注意してください。
ー 外壁開口部:窓(アルミサッシ)ー
外壁開口部:窓はマンション(共同住宅)の共用部分であたるため、勝手に交換・修理をすることはできません。
が、2004年1月に改正された国土交通省の「マンション標準管理」の内容に伴って管理規約や細則によっては、区分所有者で交換・修理が認められているマンションもあります。
サッシの内側に断熱用の内窓を新設することは可能となる場合があります。
ー 床 ー
マンションで近隣の間で問題になりがちな「音」にはご注意を。
床は専用部分ですが、上下階の床から伝わる音に関係するトラブルを防ぐため、マンションの管理規約でリフォームの際の床材の性能レベルを規定している場合がありますので気を付けてください。
その他マンションの管理規約や細則によって制限している項目がある場合があります。念のため管理組合への事前の確認や相談をしましょう。
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