障子は誰が破るのか
光を通す・間接照明・影絵遊び
メインを障子にした理由のひとつに
光を通すことが挙げられます。
ここでの光は、太陽光と照明です。
ちょうど西に面しており、西日がきつかろう、
設計当初は夫婦二人で日中いないので
夜が旨となるから、夜の表情がいいもの、
という具合です。
既存は2部屋あったものをワンルームにしたことで
窓がポコポコとふたつある表情です。
それはあまり美しくないなーと思い、
ここでは縁側を設けて、
1枚の開口部かのように演出するために
5枚引込の障子にしました
(縁側については別の機会に)。
そして、夜の表情を生み出すために
間接照明を足元に。
下から持ち上がる灯りは落ち着きを与えます。
昼は昼で、西日故に影絵になります。
植木越しに風を感じたり、なかなか表情豊かです。
障子紙、破るのは誰?
紙だから破れる。
だけれども、代えがたい良さ、もしくは好きがある。
だからこそ、大事にあつかう。
我が家の障子の枚数は10枚。
桟で区切られた合計195マスのうち、
破れは3マス(1.54%)、うち2マスは引っ掻きキズ程度。
実質、1マスのみ(0.52%)。
ちなみに破ったのは、セガレではなく我々夫婦のどちらか。
障子は子どもがいるから〜という先入観を持つなかれ。
障子が生み出すコミュニケーション術
障子紙の「張り替え」はどの家でも年中行事でした。
こういう「行事を生み出す空間コンテンツ」は
どうにか我が家にも設けたいと思っていました。
これによって家族間のコミュニケーションを生み出すのです。
「建築が人をつくる」の体現です。
とはいえ、強い紙を使ったおかげで破れは3箇所程度。
張り替えはもう少ししてからかなーと思っています。
張り替えよう!という家族の意見もありますが、
ズボラしてます。
10年使ってどうだったか
障子を使うと和の印象は出てきます。
知人からは「和風に洋風(?)の家具は意外と合うんだね」との
声もありました。
障子といえば破れる印象もありますが、
張る紙によってそれらは解消できていると思いますし、
あとは扱い方ですが、丁寧にするのに越したことはありませんが、
案外普段通りで大丈夫です。
かつての田の字プランなどのような日本家屋では
部屋(というか間取り)はふすまで区切られていました。
壁としては薄いですね。
音も漏れるでしょうし、プライバシーの観点では弱いでしょう。
障子は建具本来の用途で現代でも使える
そしてそれに似た障子に包まれた暮らしですが、
思った以上に快適です。
なにより、軽い。
そのため、動かせやすいし、止めやすい。
引き戸があるのにわざわざ障子を開け閉めして出入りするくらいです。
いろんなドアがありますが、
私は障子は開口部として現代にも有効で推奨したいと思っています。