建築物は、街中の主要駅より徒歩数分に位置にする築約30年の鉄骨構造3階建てであり、1階は以前にカメラスタジオを営まれ、2階はワンルームマンション形式の住宅、3階はファミリー向け住宅の建築構成を成しておりました。 お施主様ご家族は3階に暮らしておられました。お母さま(90代)が住宅内で予想外の転倒された事がきっかけに、急遽、介護と車いすでの外出にむけて、1階で生活できるようにバリアフリー対策を主眼とした環境整備を施した注文住宅の設計が必要となりました。
そこで、当設計事務所:建築家のHPをご覧になられ住宅設計・工事会社紹介依頼のお電話を頂きました。
当設計事務所:建築家は、日常生活で常に介護をされる方、受けられる方の双方が快適に過ごせるようにバリアフリー化をする事に加え、どなたもいつかは迎える高齢化に対処した動線・設備面の刷新に向けてのスケルトンリフォームの住宅設計を図ります。
住む人が、過行く「時」の変革に伴い建築物に求める要素が変わり、加齢を積み重ねた時の動線を想定して、バリアフリー対策の設計をはじめ新しいコンセプトのもと、住環境の改善を図ることを目的にお施主様と建築家:設計事務所・工務店との意見交換のもと、創り上げた二世帯住宅のスケルトンリフォーム・リノベーション。
浴室・トイレなどの計画・設計が、既存建築構造体の基礎部分や、内外部の排水経路の高低差に大きく影響されるため既存建築を解体して確認するまで、不透明な部分があることを想定して企画計画・実施設計を進めなければいけない難点がありました。
設計計画上において、既存建築物:住宅の構造体により玄関ホール・浴室・トイレ・洗面脱衣室の天井高さが約1800しか確保できないこと、即ち既存の床仕上げの設計高さが限定されことでありました。
浴室の設置予定のスペース(=高さ)が、既存建築物の基礎梁の構造上、排水経路の高低差の勾配確保が不確定であったため、床のコンクリートの土間スラブを解体掘削してみないと解らない点には設計計画を進めるにあたり不安の心を抱いておりました。 工事が始まり、工務店による排水経路の考察・配慮により解決できた時には、関係者一同、安堵しました。
『生活動線の効率化・短縮化』・『バリアフリー対策』の要素をふまえたスケルトンリフォーム・リノベーションの住宅設計。
玄関はご家族の方のお一人(お母さま)が『車いす』をご利用されている故、介護する方やお母さまが、無理なく移動ができ・介護者の負担を軽減を図る為、玄関からホールへの段差は無くし緩やかなスロープを施しバリアフリー対策の住宅設計を図ります。
また、玄関の床は、タイルの色彩カラーに変化をつけ、土間とホールの区分けを促しております。
通路奥より玄関(引き戸)を観る
室内より、車いすに乗った状態で屋外に出れます
玄関より通路奥の建具(引き戸)を観る
玄関より緩やかな勾配のスロープ
床の部分: レール(:敷居)はありません
建具の上部 (鴨居の中の上吊りレール): 建具を吊る金具を観る
浴室は、出入り口戸を3枚引き戸にし、浴室と脱衣室の間には段差を設けずバリアフリー型排水溝を設けフラットにして車椅子に対応した処置を施します。また、洗い場から浴槽までの移動が無理なくできるように手すりを配置します。
入浴ができかねないときを想定し、浴室用の座椅子に座ったままで入浴気分が味わえるシャワード・バス=ストレートタイプを設置設計を施します。
・シャワーだけで全身が温まる新・入浴スタイル:高齢者の方が簡単に利用できるバリアフリー対策としての入浴設備。
・浴槽入浴に介助が必要な方には、お湯はり不要のカンタン入浴を図れます。
・10ヵ所のノズルからお湯を霧状に噴出し、体全体を包み込むため、お湯につかるのと同じように全身が温まります。
シャワード・バス=ストレートタイプ(LIXILより)
シャワード・バスの使用状況(LIXILより)
脱衣室より、浴室を観る
浴室~脱衣室(バリアフリーの床高さ)
一日に何度も使うトイレは、寝室などの居室からシンプルな通路を経て片引き戸を開け入室できると共に、浴室に面した3枚引き戸からも入れる動線の運びの住宅設計を施します。
トイレこそ、住宅内のあらゆる場所より、頻繁に使うようになる時のことを考え、しっかりとバリアフリー対策をした住宅。
・フローティングデザインならではの浮遊感。
・それに加え、便器が浮いているから床面全体がフラットで、サッとひとふき。お掃除がカンタンです。
・キャビネットとカウンターの高さが揃っているので、空間をさらに広く感じさせ、すっきりした印象となります。
・トイレ使用やボタン操作ができるほどよい明るさなので、深夜にまぶしさを感じにくい、快適な照明です。
(文献:TOTOより)
トイレの建具(引き戸)を開けた状態
便座が開き、手すり(右側)を下す
高齢者には、洗面室・脱衣室との入り口を段差解消しますが、それができない場合には、スロープを施したり、段差の場所に適切な手すりの設置等考えたく思います。
洗面・脱衣室では、ヒートショックの対策をする事も大切なバリアフリー住宅の要素です。
また、当プロジェクトの洗面脱衣室は、カビの発生や家具を傷める原因となる湿気がこもりやすいため、湿気対策も大切なポイントです。カビが生じる軽減を図る為、天井には調湿ボードを設置した注文住宅の設計を施す。
壁面に暖房機を設置
年齢を重ねるごとに使い易い位置に棚を移動できる配慮
室内側の二重サッシを開けている状態
外壁アルミサッシ~室内側の二重サッシの下側レール
・光と風をコントロールする外付ブラインド
・リモコン操作で毎日の開け閉めがラクラクに。
・自由に角度調整が可能なルーバーで、遮蔽・採光・プライバシー・通風をバランスよくコントロールできる。
・新築にも、リフォームにも最適な、外付ブラインドの新しいカタチです。
【熱と光を遮る】
窓の外側で太陽の熱をカットすることで、暑い夏を快適に過ごすことができます。
ルーバーの角度調整で光の量を自在にコントロール可能です。
【通風を促す】
自由にルーバーの角度調整ができることで、高い通風性を実現しました。
ルーバー角度90°で、日射熱を遮りながら、ほとんど遮蔽物がないのと同等の換気が可能です。
自然の心地良い風を取り入れます。
【視線を遮る】
外からの気になる視線はカットしながら、自然の光や風を自在にコントロールできます。
ルーバー:90° 解放時
ルーバー:全閉時
ルーバー:全開時
外壁面:冬は寒く夏は蒸し暑い旧住宅の環境改善として、気密性が高いウレタン吹き付け断熱を施工し隙間無く断熱層を形成することで冷暖房の効率を高めた高気密高断熱の住宅となります。
初回の吹き付け:吹付工事
複数回にわたる吹き付け:吹付工事
外壁の窓回り断熱:吹付工事 完了
外壁面断熱:吹付工事 完了
築約30年の鉄骨構造3階建ての建築物の1階カメラスタジオの部分を、お母さま(90代)の介護を含め、ご夫妻もいずれ迎える高齢化に対処し、玄関より全ての各部屋に至るまでの動線を可能な限りバリアフリー対策を施した建築家による住宅設計。
1階フロアのリノベーションに伴い、外観のメンテナンスリフォームも行いました。
外観のイメージを変えたくないとのご要望に応え、リフォーム前と同色系統のツートンカラーの吹付タイルで設計。
After
ー リフォーム後 -
Before ⇑ ⇑ ⇑
ー リフォーム前 -
リフォーム工事は内部を解体しないと、腐朽具合・構造内容などのわからない点が多くあります。
当設計事務所では工事施工会社と共に、企画・計画・設計の打ち合わせ前に、床・天井・構造体など目視確認できる範囲を調査する事で、より確実性のある設計業務が行えます。また建築工事費用がより正確になり、追加工事費用の増加抑制につながります。
建物の構造体を確認 ①
建物の構造体を確認 ②
リフォーム後、洗面脱衣室なる場所の確認
リフォーム後、浴室となる場所の確認
こだわりの住宅設計で新たなライフステージを
設計事務所と創る家づくり・注文住宅の住宅設計は、住み始めてから愛着がまし共に過ごす時間を楽しんで頂けると思います。
店舗・ビル・マンションの設計、家・住宅の設計でこだわりの建築を大阪の建築家:無二建築設計事務所と叶えてみませんか。