断熱性の高いマンションリフォーム-無二建築設計事務所大阪の建築家|住宅設計リフォーム

2016年11月25日

断熱性の高いマンションリフォーム

鉄筋コンクリートの住宅は、暖かいと思っていたのに、実際住んでみると意外と寒くて、暑いというお声を頂き、リフォームをした際に、断熱リフォームも合わせて行います。

住宅環境でお悩みだった寒さ・厚さの原因は断熱性能の低さであります。

鉄筋コンクリート構造のマンションは、断熱性能が高いと勘違いしていませんか？
コンクリート自体には、断熱性はほとんどありません。

マンションは上下左右が隣家の住宅に囲まれている場合が多いので、暖かくなっているだけです。そのため、マンション最上階とか、角部屋というのは結構寒さが厳しかったりします。

最近の分譲マンションは断熱対策をきっちりとしていますが、築年数が相当に経た中古マンションでは断熱性能が低い建築物が多くあります。

マンションの各住宅内は、一戸建てに比べると外気に接する面積が少ないため、きちんと断熱対策をすると、住宅の環境がぐっと向上し、快適な暮らしとすることができます。

断熱性能が劣ると、色々な点でデメリットが生じます。

断熱性能が低い一戸建て住宅においての人の健康面では、冬季において暖房をしている部屋から温度差がある廊下・トイレ・浴室などに行くとき、冷気でヒヤッとして、ヒートショック（急激な温度変化により、血圧が大きく変動すること）を起こしやすくなります。

浴室・トイレでヒートショックが原因で、心筋梗塞や脳梗塞を起こしてお亡くなりになられる方は、なんと交通事故の3倍と言われています。

このことを防ぐには、もちろん冷暖房費も上がります。

結露やカビ・ダニの発生なども断熱性の低さが原因となることがあります。
目に見える部分の機器や内装の変更などはリフォーム後でも出来ますが、断熱対策はスケルトンリフォームの時などしかできません。
ヒートショックを防ぐのに大切なのは、温熱環境を一定に保つように、マンションの専有部分の断熱リフォームをする事です。

コンクリートからの熱を室内に伝えないように断熱材を施工しましょう。

建築物の断熱対策には、【内断熱】と【外張り断熱】がありますが、マンションではコンクリートの外側に断熱材を施工する外張り断熱は共有部分の範囲となるため個人ではリフォームできません。

そこで、専有部分の断熱リフォームとしては室内側に断熱材を施工する方法をとります。
この断熱方法には大きく分けて『乾式断熱』と『湿式断熱』があります。

【乾式断熱とは？】
コンクリート壁に下地を作り、そこにグラスウール又は、ボード状の断熱材を施工します。断熱材自体が工場生産された成形品であるのでこう呼ばれています。

・長所・・・取り扱いがしやすい。
・短所・・・施工時に隙間ができやすい。壁厚が増す場合があります。
この欠点を補うには、二重張りをすることで気密性を向上させることになりますが、壁の厚みが増してしまいます。

【湿式断熱とは？】
現場で発泡させた泡のような断熱材（ウレタン等）を構造体に吹き付ける方法です。

・長所・・・現場発泡のため隙間のない断熱層が形成できます。
・短所・・・取り扱いが難しく専門業者でないと施工できません。
施工時に近隣にコンプレッサーを積んだトラックの駐車スペースと、トラックから現場までのホースの配線経路が必要な事です。それ故に、高層階の場合は断熱材を圧送できないなど、近隣状況や物件の階数などの制限があるかも解りません。

【素材の特性を生かした断熱】
上記のような断熱材を施工する以外にも、素材の特性をいかして断熱リフォームをする方法があります。

例えば、
【木毛セメント板】
木毛セメント板とは、リボン状に細長く削り出した木材をセメントペーストで圧縮成型した建材で、高い断熱性を持ち、火災時に有毒なガスが発生しない準不燃材でもある安全で優れた断熱材です。