お施主さまが居住されていた築70年数を経た木造住宅では、加齢を重ねていく上で、安心・安全に暮らしていけるかとの不安から、当設計事務所にご依頼に来られました。 当初はリフォームか新築:建て替えでお悩みでしたが、リフォームでは対処に限りがあり、リフォームでは新築以上の費用がかかり費用対効果が見込めない為、建て替えをお勧めし実行されました。
お客様は、住み慣れた以前の住宅の間取りを希望・注文要素とされ、それを基本に、高齢者・シニア向けの安全性を重視した動線の短縮化・簡略化、収納の効率化、住宅内のバリアフリーの要素をふまえ意見交換をしました。
広く、明るく、動きやすい。一人でも、介助が必要になっても快適に過ごせる動線と室内環境にこだわった、平屋住宅ならではのメリットをいかした、自然素材を活かしバリアフリー対策を施した高齢者対応・シニア向け注文住宅の設計。
基本コンセプト:『 体が弱くなったり一人になっても、安全で快適に暮らせる家』に、構造計算で裏付けされた性能基準が高く・安定した品質が確保されたSE構法をはじめとする、木造金物止め工法の構造を提案いたしました。
私ども建築家は建築物が完成して目に見えない部分には、特に重要視している事をお客様に確認して頂いております。
身体と心にやさしいシニア向け住宅にするため、バリアフリー対策で安全な動線を考慮すると共に、高気密高断熱の工法を用いて、住宅内の温度差を少なくしてヒートショックを予防して、快適な住宅空間を創作設計を施す。
外装材は震動に対して比較的に追従性が高く、メンテナンスが軽減される鋼鈑を採用し、近隣に同調した色調で構築しています。
当建築地は、大阪市の防災性向上重点地区、特に優先的な取り組みが必要な密集住宅市街地で、老朽住宅の建替や除却の促進地域です。当事務所は、大阪市民間老朽住宅建替支援事業 ハウジングアドバイザー 認定登録事務所となっています。
基本構造は、柱や梁そのものを互いに剛接合し、強固な構造躯体をつくり上げるラーメン構造を木造住宅に取り入れたSE構法を採用。柱は全て120角を使用し、柱~梁の全てのジョイント部分は高強度を誇る金物止め工法で構成した耐震住宅の設計です。
形状はシンプルな長方形にして、耐震性を高めています。かつ木造平屋建て住宅であるにも拘らず、鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造の建築物と同じ手法で構造設計をしております。
当建築設計事務所は専業設計事務所・建築家の観念から、住宅完成後には見えない構造体を重要視した設計を心がけています。
高齢者:シニアにとって本当に住みやすい家・住宅とは、肉体的な負担軽減に加え、おだやかで気持ちよく暮らせる住まいです。
スタイリッシュな住宅だけが建築家の設計ではありません。落ち着いた上質なセンスのある住宅で豊かな暮らしを育みましょう。
外観は、『 目立たない建物 』という施主の想いを反映して、周囲の町並みに融和する色調で地震時・耐候性に優れた金属鋼板の外壁でまとめる。
玄関の上がり框は 思い出深い以前の住宅で使用していた建材を残したいという施主の思いを反映して、再生利用する。
高齢となった時を想定しバリアフリー住宅とするため、玄関・居間・食堂・キッチン・寝室・トイレ・洗面・脱衣室・浴室は段差をなくしたフリーフローとすると共に、オール電化住宅とし、安全・安心して暮らせる家であるように各所に工夫を凝らします。
暖房設計は、床暖房をお勧めいたします。この暖房は、頭寒足熱のほんわかとした柔らかい暖かさを得れ、設置に必要なスペースが不要となりますので部屋を広く使えます。
ファンヒーター・ストーブなどのような暖房器具を置くとその面積が必要となり、器具の倒壊、けつまづいたりして不慮の事故が想定されます。 燃焼装置がないのでメンテナンスが不要であり密閉された部屋の空気も汚すことなく、臭い・燃焼音がないので家族みんなが快適に暮らせます。
床暖房は、限られたスペースを極力有効に活かすことができます。また、床暖房には、温水式と電気式があります。
費用・設置条件を考えると電気式床暖房の方が良いと思います。欠点は、電気料金は上がります。
照明器具のスイッチ用化粧カバー
コンセントの化粧カバー
将来の介護を考え、フローリングは車椅子対応の建材を使用。
住宅内はぺアガラスや外断熱などで高気密・高断熱対策をして、温度差が少なく負担のかからない住まいで心地よく過ごせます。
和室には玄関から廊下を通って和室に入ることができ、トイレにも居住空間を通らずに行けるようにして、日常生活と来客の対応の分離を図り、不意のお客様にも片付けのストレスなくとのご注文に応対できる住宅の設計を施す。
壁は自然素材で調湿作用のある珪藻土を使用し、障子には紙と変わらぬ風合いながら水に強く変色しにくいワーロン紙を使用。
障子を通して差し込むやわらかな光の中で、それぞれの素材が溶け合い、やさしい雰囲気を醸し出しす住宅設計。
和紙の配色を考慮したデザイン障子
無機質なサッシを隠す効果だけでなく、サッシとの間に空気層をつくるため窓面の冷気を伝えにくくする断熱の効果もあります。
組子の構成や、シートの色彩の張り方をアレンジし、廊下にアクセントを出すことにより更なる価値が増すことに貢献します。
組子の構成や、シートの色彩の張り方をアレンジし、和の趣を必要とする部屋にアクセントを出することにより更なる建築空間の価値増大に寄与いたします。
「障子」と聞いて、まず思い浮かぶ活用法は「間仕切り」。
伝統的な日本家屋で、縁側と和室の間仕切りとして障子がよく使われているように、光を和らげて部屋にとりこみながら、優しく軽やかに空間を閉ざすことが出来ます。しかし障子紙(和紙)は破れやすく、張替に手間がかかるのが欠点。その欠点を補い耐久性を高めて、同じような趣ある風合いを持つ素材の一つが「ワーロンシート」を導入した住宅設計。
単なる強化紙ではなく、和紙を塩化ビニール樹脂で両面からラミネートした製品で、多くの色彩を有し・和紙の風合いや素材感を表現しています。
これから迎えられる高齢化に対する肉体的負荷に対して玄関・浴室・トイレ・洗濯物干しは、安全性と動きやすさをふまえたバリアフリー対策の住まいをお勧め実行して頂きました。
玄関で履物を履き替えるとき、上がり降りするときには、事故が起きやすいので体の負担を軽減する手すりの設置。
●洗面所との入り口はグレーチングを設置し段差解消、適切な手すりの設置にあわせて、浴槽の出入りのしやすさも重要。
●手すりを使っても浴槽をまたぐことが辛くなったとき、一度浴槽の端に腰かければ楽に入れますので、高齢者向けの浴槽として、浴槽の端が大きく、座っての移動が無理なくできるタイプを採用。
●腰を下ろし、立ち上がる時のため、シャワー取り付け用のバーは手すり兼用タイプを選定。
贅沢な一時を味わえる住宅設計
●出入り口は、引き戸にし、車椅子を想定して広め(壁の芯~芯を約135cm)にする。
●トイレ壁面には、ひじ置きカウンターやL型手すりを設置。
●浴室と脱衣室の間はバリアフリー型排水溝を設けてフラットにし、車いすも入れる3枚引き戸とする。
●タオルかけを兼ねる、横移動のための手すりを設ける。
●冬の冷気が身体に及ぼす ヒートショック を考え、暖房乾燥換気扇や足元暖房機を設置。
手すり付ひじ置きカウンター + 手洗い器
L型手すり
部屋ごとの暖房により、室内外の温度差が大きく、暖房をしている部屋から廊下、 階段、トイレ、脱衣洗面室、浴室等に行くとき、冷気でヒヤッとして、ヒートショック を起こしやすくなるのでこれの緩和する設計を図ります。
ヒートショック・・・・・急激な温度変化による血圧上昇等の体に及ぼす影響のこと。
夜間にトイレに行く通路の壁面下部には、足下の安全性を高めるに床面に灯りを照射する足元灯。
昼間
夜間
高齢者にとって天候の不順な時、外部で洗濯物を干すことは重労働であり、大きな事故を引き起こす可能性があります。
住宅内で無理のない姿勢で、洗濯物を干すことができるように設計を施します。
洗濯物からでる湿気対策のため、天井材・壁材には、吸湿建材(タイル・ボード)を設置します。
屋内用の洗濯物用物干し竿は、操作コードで竿の昇降の調節ができ、ラクな姿勢で洗濯物を干すことができます。
《 物干し竿:解放した状態 》
《 物干し竿:格納した状態 》
浴室・洗面からでる湿気対策のため、天井材・壁材には、吸湿建材(タイル・ボード)を設置設計を施す。
脱衣室:壁のスイッチ・コントロールパネル周り : 調湿タイル
脱衣室:壁= 調湿タイル、天井= 調湿ボード
ダブル断熱工法(外張り断熱工法+壁体内の内断熱)を採用した住宅設計を施す。
外部側にはウレタンボードなどを張り、内側にはウレタン吹きつけを敷設しています。
このダブル断熱工法は、外張り断熱と内断熱をあわせもって行い、断熱性能を極力にあげた工法です。
外張り断熱には、ウレタンボード・フォルテボード・他のボード系断熱材を張り、内断熱には、壁体内にセルロースファイバー・グラスウール・ウレタン吹き付けなどを敷設します。
外壁側断熱材:板状断熱材を取り付けた状態
内部側断熱材:吹き付け状態
床の間は、床柱=北山杉天然絞丸太、ヒノキ面皮付き柱を使用し、清楚で落ち着いた雰囲気を醸し出します。いぐさ畳を敷くことにより、いぐさの香りに心がなごみます。
昔ながらの「田」の字型プランを基本に、動線の短縮化、収納の効率化、家事動線に配慮したバリアフリー対策を施した住宅。
家族が多くの時間を過ごすダイニング・リビングを住宅の中心にし、それを囲むようにキッチン・浴室・トイレ・寝室・仏間室などを配置した設計。
お客様の要望をオーダーメードで作り上げるため、お客様が住宅のイメージを認識しやすいように完成予想図を作製します。
●地盤補強工事 → 表層改良(下の写真)
新築する住宅の下部の地盤を撹拌・混合・転圧し、安定処理地盤を構築する工法:表層改良を採用しております。
即ち、セメント系の土質固化材を現地盤の土とを混ぜ合わせ、それを締め固めるという施工方法です。
概ね、通常1m3あたり、100kg前後の固化材をバックホーという機械を用いて混合し、基礎が載る範囲を平らな板状(改良厚さは普通約1.0m~2.0m)のような形に固める方法です。
セメント系の土質固化材を撹拌
セメント系の土質固化材を混合
重機により転圧、安定処理地盤を構築する
● 木造金物止め工法(耐震工法):SE構法による、基礎工事
土台・柱・梁などを高強度の金物で接合する重量木骨の木造金物止め構法(木造SE構法)を採用した地震に強い家、当住宅は、平屋建ですが、構造計算をしています。
基礎工事の配筋
配筋検査
● 木造金物止め工法(耐震工法):SE構法による、土台~柱~梁~屋根の構築 → → → 上棟
土台 ①
土台 ②
土台・柱の建て方
土台・柱の取付状況
柱・梁の組み立て
柱・梁の接合状況
大阪の設計事務所が創る家・注文住宅の住宅設計は、住み始めてからも愛着がまし共に過ごす時間を楽しんで頂けると思います。
ビル・マンションの設計、家造り・注文住宅の設計でこだわりの建築を大阪の建築家:無二建築設計事務所と叶えてみませんか。