建築地は、大阪府内の旧家の町並みとの境に位置し、当初、ご両親が居住する旧家屋が建つ敷地内に、子世帯の住宅を建築するご相談を受けましたが法的制約のもと不適格となる要素が多くありました。 そこで、ご家族内で意見交換された結果、近隣に所有される約400坪の土地を分筆して建築地として活用し住宅設計を施す運びとなりました。
建築予定地を含む約400坪の敷地は、南北に細長く、南北それぞれの公道に接道しており2筆に分けられた状態でありました。 その敷地には、中央に駐車場を挟んで貸倉庫・木造アパートが建っており、その駐車場部分に住宅設計・建築が可能となるように敷地を3分筆することとなりました。
上記を実施するにあたり、土地測量事務所との共同作業が必要となります。
細長い約400坪の敷地の中で、2棟の建築物に挟まれるように存在する駐車場を活用して、住宅を設計・建築できるようにするには、まず建築予定地が公道に幅2m以上接するように土地を分筆する事が必要でした。
そのためには、公道から建築予定地まで幅2mで長さ約52mにわたる通路を要する旗竿地を形成することが必須条件で、度重なる役所・諸官庁と打ち合わせのもと、約6か月の期間を経て土地の分筆業務を行いました。
この土地の分筆作業が終わり測量図面を基に、外張り断熱(省エネ効果が高い冬暖かく夏涼しい住宅)・自然素材・太陽光発電・制震住宅などの内容を含むご注文内容の住宅設計が約7か月、建築工事が約6か月掛かり、お施主様よりご依頼を頂いてから延べ約1年7か月の月日を要しました。
子育てを終えた建築家:設計事務所として想い・提案したことは、お子様がのびやかに暮らせるような間取り・空間構成のもと、床にはヒノキ無垢材:自然素材やオリジナル木製階段で人の五感に優しい住宅であります。
依頼主さまよりご要望がありましたランニングコストの軽減を図るため、高気密高断熱(冬暖かく・夏涼しい冷暖房の効果が効きやすい住宅)に配慮した外張り断熱を施し、太陽光発電とオール電化を導入したエコ住宅、『耐震+制震』で地震に対して安全性を高めた住宅設計を施しております。
建物の外形をほぼ直方体で屋根を片流れ形式とすることによりコスト(坪単価)の軽減に努めています。
基本構造は、柱は全て120角を使用し、柱~梁の全てのジョイント部分は、安定した品質と高強度を誇る金物止め工法で構成し、建物の構造計算をした裏付けによる住宅設計をしています。
あわせて制震テープを用いて、建物に地震のエネルギーが伝わりにくい制震住宅としています。
私ども建築家は住宅が完成してからは見えない構造体を特に重要視して、安心して安全に暮らせるよう設計をしています。
二人の幼いお子様が健やかに過ごせるように木造・ 自然素材建材をベースに設計。
床は、香りの高い自然・無垢材のヒノキ材を設置、内部塗料は植物由来の自然塗料を施しております。
昔から日本で親しまれてきた畳・障子なども用い、ゆったりとした時間が過ごせるようにしました。
子供部屋がある2階に上がる木製階段はLDKに面し、挨拶や何気ない会話がはずむ間取り。
2階の階段横には、大容量の本棚を作り付け、親も子供も一緒に本を読んだり話したり出来るスペースを確保しました。
パッと片付く適材適所の収納をコンセプトに、生活動線にあわせた整理・収納ができるように収納の位置・大きさ・しまい方を決めました。
さまざまな物に対応できる大容量の収納は、扉を閉めればすっきりとした空間に。
コストを抑えて、使いやすく、キレイな空間を保てる収納計画をしています。
子供の様子が見渡せるようにリビングに面したキッチンは、リビングのインテリアともなりえるよう、すっきりとしたフォルムのキッチンをセレクト。
キッチンは流し後方に冷蔵庫・食器棚・レンジ台・食品庫を納め、手際よく家事がはかどるように動線を計画すると共に、一連の建具を設けて隠せるようにする事で、リビングとの調和が図れる住宅設計。
二人の幼いお子様が健やかに過ごせるようにと木造、床は自然素材建材をベースに設計。
床は、香りの高いヒノキ材を設置、内部塗料は植物由来の自然塗料を施しております。
良い木の香りが室内に漂い、素足でいても夏はさわやかで、冬でもほんのりと暖かく、寝ころんでも気持ちが良い住宅です。
節ありの天然木・無垢材は傷がついても目立たず、経年による色の変わりと共に味わいとなります。
自然素材住宅は、健康や環境に優しいだけでなく、お住みになる家族の五感を高めます。
見た目もやさしく、香り高く、さらりとした肌触りが心地よく、やわらかい風合いで、人の心を和ませます。
自然素材・天然木は伐採後も呼吸をし続けます。
ムク材は湿度が高くなると湿気を吸収し、乾燥すると放出する天然の調湿材です。
塗装は、木の呼吸を妨げず、撥水・防汚に優れた植物由来の自然塗料のクリヤ色を選択し、木目を生かしております。
独特な木の香りと色合いを持ち、高級感を漂わせる自然素材の香り漂う住宅です。
また、ヒノキ材は、精神・気分を落ち着かせる効果や、抗菌効果などを含む有用な物質が多く含まれています。
床は、土佐 桧(ひのき) :無垢フローリング
人と環境に優しい無垢材(自然素材)
湿気を吸収・放出する湿度調整作用があります
【ひろびろリビング】
建築家の子育ての経験を活かした広いリビングは、木の風合いがたっぷり感じられる開放的で落ち着きのある空間。キッチンからはリビングだけでなく、階段も見渡せるので、「おはよう」「ただいま」となにげない挨拶から子供の様子がうかがえます。
子供が小さい時期は兄弟一緒の大きな部屋として活用し、成長したら仕切れるように構成し、柔軟に対応できるようにしました。
無垢のヒノキの床は子供の五感に働きかける、やさしさや安らぎを感じられる子供部屋で、元気いっぱい遊び、学びます。
共用空間の片隅を利用して設けた大容量の書庫(ライブラリー)。本を通じて、リビングでで話す内容とはまた違う色々な会話を家族でできコミュニケーションが深まります。
子供が親や家族から色々な事を吸収できる時間、互いに刺激しあえる、子育て世代ながらの時間を もっと楽しめる家づくり・住宅設計をしましょう。
玄関収納は家族4名の靴がたっぷり入るだけでなく、上着やゴルフバッグなども納められるように壁面いっぱいに設置。
土間部分に面する収納を大きく取ることで、アウトドアアイテムなどの出し入れもスムーズにできるように配慮しました。
床にはモザイクタイルをライン張りにして、モルタル仕上げの土間にアクセントをつけています。
玄関収納庫にはシナ合板の建具を取り付けています。
シナ合板は、シナ(榀)の木を薄く切った単板を表面に貼り付けた木質系ボードのことで、シナベニアとも呼ばれ、木目がすっきりとしていて節が少なく、ぬくもり感がある設計を施す。
キッチンは家族がくつろぐリビングが見渡せるように、対面になるように設置。ライトグレーの面材と脚部が軽やかな印象をもたらせています。ステンレス一体の広い天板は、家族で料理をしたり、後片付けをしても十分な広さを持たせています。
流し後方に冷蔵庫・食器棚・レンジ台・食品庫を納め、手際よく家事がはかどるように動線を計画すると共に、一連の建具を設けて隠せるようにする事で、リビングとの調和が図れるような住宅設計。
キッチンの作業動線はシンプル&スムーズになるように計画。できるだけ2歩以内で作業が出来るように、冷蔵庫・食器棚・食品庫・調理器具を配置。調理や作業など動きに合わせて、タイミング良くさっと必要な物が取り出せるように配置して無駄のない家事動線に。勝手口もキッチン横に設けて、ごみだけでなく、買ってきた物も車からおりてすぐに持って入れるようにしています。
「障子」と聞いて、まず思い浮かぶ活用法は「間仕切り」。
伝統的な日本家屋で、縁側と和室の間仕切りとして障子がよく使われているように、光を和らげて部屋にとりこみながら、優しく軽やかに空間を閉ざすことが出来ます。しかし障子紙(和紙)は破れやすく、張替に手間がかかるのが欠点。その欠点を補い耐久性を高めて、同じような趣ある風合いを持つ素材の一つが「ワーロンシート」。
単なる強化紙ではなく、和紙を塩化ビニール樹脂で両面からラミネートした製品で、多くの色彩を有し・和紙の風合いや素材感を表現しています。
無機質なサッシを隠す効果だけでなく、サッシとの間に空気層をつくるため窓面の冷気を伝えにくくする断熱の効果もあります。
組子の構成や、シートの色彩の張り方をアレンジし、和室にアクセントを出すことにより更なる価値が増すことに貢献します。
奥の和室は4枚の引き戸で個室にもなります。また、押入れは、吊り型の押入れ収納で、空間の広がりを出しています。
組子の構成やシートの色彩の張り方をアレンジし、和室にアクセントをもたせて明るい印象に。畳の色とコーディネートすることですっきりと見せます。
建築家による、木の質感を生かしたデザイン階段。幼い子供の落下防止をかねた側板は、無垢材の節の表情を出しながら光を取り込めるように構成し、幅の異なる板を用いることでリズム感を出しています。
持ちやすく手触りのよさが感じられる、木材で加工した手すり。
清潔感が求められる洗面・脱衣室の天井には、吸湿建材を設置し、カビ対策をしています。
浴室に通じる引き戸にはシルエットは映さず光を通す素材を使用し、明るさと広がりを演出。
贅沢な一時を味わえる住宅設計
当プロジェクトは、構造計算した木造金物止め工法にて耐震性を高めた上、かつ高層ビルの制振装置に用いられる粘弾性体(ブチルゴム系)を設置して制震住宅としています。すなわち、耐震+制震のダブル工法を導入した住宅です。
制震住宅を構成する制震テープは、メーカーにて下記の通り説明されています。
『 制震テープを構造合板や石膏ボード等と柱梁の間に介在させるだけで、建物全体の体質改善が図られ、地震のエネルギーが吸収され(制震効果)、建物の応答変位が1/2に低減します。』
外部:制震テープを張った上に合板を張る
外部:梁・筋違の上に制震テープを張る
耐震住宅の設計工法である木造金物止め工法(構法)は、接合部において断面欠損が少なく、従来の在来工法では無かった構造計算ができることで構造的裏付けによる耐震性が実証され、大空間・大スパンが可能となりあらゆる計画の柔軟性に富み、柱・梁の構造部材はムク材より高い強度を有するとされています。
工事施工現場での作業は最小限となり、柱・梁などの部材、接合部の精度が極めて高く、安定した品質の建物が確保されます。
木造軸組の「継ぎ手」「仕口」部分(アリ・カマ・ホゾ等)をアゴ掛け金具・ホゾパイプなどの金具に置き換え、ボルトとドリフトピンなどで緊結する接合金具などで構成する住宅です。
「金具接合工法」は、在来工法に比べて次のような特長があります。
柱・梁の接合部
柱~梁の接合部
水平部材の接合部
写真提供:㈱タナカ:ナットレス金物工法
★ 建築物のデザインも大事ですがそれ以上に、住宅が完成して目に見えない部分には、特に重要視します。
当住宅設計では、上記のナットレス金物工法を採用しております。
金物に梁を取り付ける状態 ①
取り付けた梁をピンで固定する ②
金物に梁を取り付ける状態 ③
取り付けた梁をピンで固定する ④
この注文住宅は、柱の外側からすっぽりと高い断熱性能を有する断熱材で住まい全体を包む外張り断熱工法の設計を施す。
断熱材が柱・梁の外側にあるため、断熱材が切れ目なく連続し、安定した高い断熱性・気密性が実現できます。
外張り断熱では、柱の外側で断熱するので、夏・冬を通して壁体内も室内と近い環境になり、室内との温度差が少なくなります。
そのため、壁体内の結露の可能性も少なくなります。空調機を上手く利用して、省エネ効果の高い冬暖かく夏涼しい住宅。
外張り断熱:外壁の施工
断熱材の継ぎ目は粘着性の気密テープを張り巡らす
外張り断熱:床の施工
外張り断熱:屋根の施工 ①
外張り断熱:屋根の施工 ②
断熱材の継ぎ目は粘着性の気密テープを張り巡らす
外張り断熱:屋根の施工 ③
屋根面の空気の熱伝達を遮る空気層を設け合板を張る
外張り断熱:屋根の施工 ④
外張り断熱:屋根の施工 ⑤
屋根の施工(防水シート+金属鋼板)
エコ・省エネ住宅として、ソーラーパネル5。7kwを搭載し、電気のランニングコストを低減します。
住宅の屋根に設置された太陽光発電システムによって発電された電力の内、余った電力を電力会社に買取りをしてもらう売電制度を導入しています。
当住宅の太陽光発電は、設計段階より比較的に軽量化を図った機器を選定して建物の構造計算をする際に顧慮して、不測の地震時の揺れに対処し、建物のデザイン性を損なわない機種を、導入・設置しております。
専用金具・設置方法で、確実に設置
下地に合わせてパネルを設置
エコ住宅・スマートハウス
当該建築物の敷地状況は、道路(公道)から延びる細い敷地の奥にある広い袋地のような変形敷地です。
このような土地は、竿のついた旗に似ていることから旗竿地と呼ばれ、主たる敷地の大部分が道路と接していないため、工事費用の考慮が必要となる場合があります。
今回、この道路との間に細い路地状の部分の外部給排水引き込み工事が、上記図面のAの部分が約52mと非常に長い工事が必要となる為、工事費用が掛かりました。
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大阪の設計事務所が創る家/住まい・注文住宅の住宅設計は、住み始めてからも愛着がまし共に過ごす時間を楽しんで頂けます。
ビル・マンションの設計、家造り・注文住宅の設計でこだわりの建築を大阪の建築家:無二建築設計事務所と叶えてみませんか。